2019年10月07日

【絵本】「えんとつ町のプペル」にしのあきひろ(幻冬舎)【感想・レビュー】


おはようございます😃
今日紹介したい本は、「えんとつ町のプペル」(幻冬舎)です。



人気芸人であるにしのあきひろ氏が脚本・監修を務めた作品として、当時とても話題を集めた絵本ですね。

参加イラストレーター・クリエイター総勢33名。クラウドファンティングを活用するなど、過去に類を見ない斬新な制作過程を経て出来上がりました。

絵本は基本少人数で一つの世界観を表現するので、30名を超える大規模なプロジェクトチームが関わるというのは、とても珍しいです。

より多くの人に作品を届けようと、無料で公開されていることも注目されています。


「えんとつ町のプペル」(幻冬舎)
にしの あきひろ・著

見上げるほど高いの崖に囲まれた、外の世界を知らない”えんとつ町”。

名前の通り、そこはえんとつだらけで、真っ黒な煙が立ち上り、頭の上は分厚い雲に覆われいて、そこに住む人々は青い空もきらめく星空も知りません。

町は今、ハロウィン祭りの最中。おばけの仮装をする子供たちに混じって、”ゴミ人間”が通りを歩いていました。

皆が仮装を脱ぐ中、本物のゴミの寄せ集めである”ゴミ人間”はどうすることもできません。

見た目の恐ろしさや悪臭が原因で、誰からも無視されて、子供たちからいじめられます。

そんな彼に声を掛けてくれたのは、すすだらけの少年―――ルビッチでした。自分もまた汚れてばかりいたので、”ゴミ人間”の気持ちが分かったのです。

ルビッチは”ゴミ人間”にプペルと名前をつけてやり、二人は仲良くなりました。

ところが、町の人たちからの迫害は止みません。やがて、ルビッチもいじめられるようになり、二人は離ればなれに。

しばらく経ったある日、プペルが再びルビッチのもとを訪れます。彼は前にも増してボロボロになっていました。

驚くルビッチを連れて行った先には、お手製の気球があり、二人はそれで分厚い雲の上へ。初めての星空を目にします。

外の世界を知らなかったルビッチは、星空のことを信じて疑わなかった父親のことを想いました。

そして、プペルの正体は、ハロウィンの日に蘇った父親であることを知って、信じ抜くことの大切さを知りました。


以上、あらすじです。


何人ものイラストレーターが関わったということで、背景はとても丁寧に描き込まれています。どこかノストラジックな雰囲気で、”えんとつ町”という舞台をよく表しているように思いました。

舞台背景であるハロウィンとゴミ人間という要素も相まって、暗い印象を受ける序盤から、手製の気球で分厚いを突き抜け、星空へ至るラストシーンへと繋がっていくのは素晴らしい完成度でした。

絵本ではなく画集として購入したという人もいるくらいです。


一方で、ストーリー的には教育的、社会風刺的な意味合いが込められているらしく、読み手の感性によって様々な受け取られ方があります。

見果てぬ夢を追いかけることの難しさと、それを叶えたときの感動が、絵とストーリーによって表現されていました。


絵の構図や物語の流れの中に、いくつもの作品のオマージュが仕組まれているとのことです。

それを探してみるという楽しみ方もあるかも知れません。


もしも、絵本が気になったら、こちらからどうぞ❗❗

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https://r25.jp/article/581356883170827173


それでは、また✋








posted by 渡鳥カモメ at 08:17| 富山 ☀| Comment(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月06日

【絵本】「おばあちゃん、ぼくに できること ある?」ジェシカ シェパード(偕成社)【感想・レビュー】


おはようございます😃
今日紹介したい本は、「おばあちゃん、ぼくに できること ある?」(偕成社)



認知症の介護に関する絵本です。絵本ながら、家族との付き合い方について考えさせられる一冊となっています。

作者のジェシカ・シェパード氏は、大学でイラストレーションを学びながら介護施設で働いていました。卒業後、絵本の制作を始め、「おばあちゃん、ぼくにできることある?」でデビュー。

実際の現場で体験した方の視点から描かれる、認知症となってしまった家族と、それを支える人たちについて。

絵本ならではの柔らかく、ストレートな言葉選びが良い作品でした。


「おばあちゃん、ぼくに できること ある?」(偕成社)
ジェシカ シェパード・著

主人公の男の子、名前はオスカー。おばあちゃんのことが好きで、いつも一緒に過ごしてきた。

公園で遊んだり、絵本を読んだり。

けれど、この頃おばあちゃんは、そんな楽しい時間のことを思い出せなくなってきた。

認知症になったおばあちゃん。介護施設へ引っ越すことに。オスカーはとても寂しく思ったけれど、大好きなおばあちゃんのためにぐっと我慢をした。

学校が休みの週末。オスカーは、お父さんや弟と一緒におばあちゃんに会いに来た。

おばあちゃんのことが心配だったけれど、おばあちゃんは施設の人や、おじいさんたちと仲が良さそうだった。

それから、以前と変わらずオスカーとも遊んでくれて、何も心配する必要はないことが分かって、オスカーは安心した。

ところが、急におばあちゃんが大きな声を出した。施設の人たちに囲まれながら、オスカーのことを睨んでいるような気がする。

また不安になってしまったオスカーだったけれど、それがおばあちゃんの病気であることを少しずつ理解していく。

病気になってしまっても、大好きなおばあちゃんであることには変わらない。

オスカーは、おばあちゃんのために何か自分にできないことはないかと考えるのだった。


はい、あらすじはここまでです。


認知症の介護は社会問題としても取り上げられ、世間の関心度は昔よりもはるかに上がっています。

自分の大好きなおじいちゃんおばあちゃんが、ある日突然自分のことを忘れてしまったら・・・。そんな不幸な出来事が絶対にないとは言い切れません。

そんなとき、認知症がどういう病気なのか。どうして介護が必要なのか。そして、病気の家族を支えるためにはどんなことができるのか。

子供のうちから知っておくべきなのかも知れません。


現場を知る作者が描く物語には、作者が実際に感じたことが込められています。

普段は何も変わらず、にこにこしているのに、突然人が変わったようになってしまう。けれど、それは決してあなたのことを嫌いになってしまったわけではない。

そんな想いが込められた絵本です。


主人公であるオスカー自身の言葉で綴られる、”だいすきなおばあちゃん”について感じたこと、想ったこと。それはそのまま、読み手である子供たちにダイレクトに伝わります。

認知症について子供たちがより理解できるよう、巻末に解説も掲載されています。

無関係ではないからこそ知っておいてもらいたい、認知症と介護のお話。オススメです。

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それでは、また✋








posted by 渡鳥カモメ at 11:31| 富山 ☔| Comment(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【絵本】「たべてあげる」ふくべあきひろ【感想・レビュー】小学校低学年にオススメ!


こんにちは、渡鳥カモメです。
今日紹介したい本は、「たべてあげる」(教育画劇)です。



以前紹介しました、「いちにちシリーズ」と同じ作者の作品です。独特なタッチの絵と、子供の関心に寄り添うような内容の絵本が印象的でした。

今回は、子供がごはんを残さないようにするための絵本です。好き嫌いする子供への読み聞かせとして、大変人気があります。

また、「いちにちシリーズ」と同じように、描かれる絵が独特な迫力と雰囲気を持っていて、それだけでも一見する価値はあります。


「たべてあげる」(教育画劇)
ふくべ あきひろ・著 おおの こうへい・絵

ピーマンなんて食べたくない。だれか、代わりに食べてくれないかな。

主人公の男の子―――りょうたくんがそう思ったとき、コップの後ろからひょっこり現れたのは、”小さなりょうたくん”でした。

”彼”は、好き嫌いばかりのりょうたくんと違って、何でも食べてくれます。

それをいいことに、りょうたくんは自分が食べたくないものを“小さなりょうたくん”に食べてもらいます。

りょうたくんの栄養のことを考えて用意してもらったものなのに、りょうたくんはお構いなし。次から次へと食べさせて、自分ばかり良い思いをしました。

ところが、だんだんおかしな方向へ話が傾いていきます。

何でも食べる”小さなりょうたくん”は、どんどん大きくなっていって、最後には見上げるほどに。そして、りょうたくんを食べてしまいます。

本物のりょうたくんと入れ替わった”小さなりょうたくん”。相変わらず、好き嫌いなく何でも食べることができます。

それを見て、お母さんは言いました。「見違えるくらい、いい子になったね」と。


というところで、あらすじでした。


ホラーかな?

そう思った人、多いと想います。本当に衝撃的な内容ですね・・・。これは好き嫌いをなくさざるを得ないというか、食べ物を残してしまうことに恐怖を覚えますね。

とても分かりやすい内容でありながら、ここまでストレートに怖さを表現する絵本というのは、なかなかないと思います。


一方で、その衝撃的なラストに関して、子供のトラウマになってしまうんじゃないかという評価もありました。確かに、特に感受性豊かな子だと、食べ物を残す=恐怖 となってしまうかも知れません。

しかしながら、本作は絵柄のシュールさが目を惹くので、ストーリーとしての恐怖感は心に残りにくいようになっています。

「たべてあげる」という恐ろしい場面のすぐ後に、お腹の中へボヨンボヨンと落ちていくシーンを挟んで、しーんとしてしまった後の笑いを誘っています。

幼い子供へのしつけのための絵本としては、恐怖心を煽ってしまうかも知れませんが、普通のシュールな絵本としてはとても面白い作品に仕上がっていました。

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それでは、また✋








posted by 渡鳥カモメ at 08:42| 富山 ☔| Comment(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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